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執筆者の写真公彦 漆

鷹の爪から「土を喰らう日々12か月」へ


 写真は、今年の会社の畑での収穫した「鷹の爪」です。この言葉に出来ない真っ赤な色、に感動です。小ぶりながら幹からまっすぐ上に向かって実をつけます、潔い姿が気に入っています。これを干して、漬物シーズンを待ちます。


そう思っていたのですが、この一か月半余りブログを書くことが出来ないまま、越冬漬物を付ける期限が来てしまいました。

亡き母の言い付けで、「鮭の飯鮓」は大みそかの40日前までを守って来ました。鷹の爪を作り始めて今年で三年目です。これまでは市販品でしたが、自家製に変えてから、うま味が飛躍したのではないかと、子供たちに自慢しています。


春先に苗を買うときに、偶然見つけて植えてみたもので、ほとんど手間がかからないので、皆さまにもお薦め出来ます。今流行の香辛料理にいいですよ。


さて、急いで「熊笹」を取りに行かなければなりません。熊笹は、三百枚ほど必要で、飯鮓、鰊付け、沢庵の樽の周りにぐるっと張付けながら仕込んでいくと、雑菌、カビが生えず、減塩しても、新鮮な感じで、長持ち致します。

血圧高めの私ですが、この越冬漬物なくては、食事が寂しくて叶いません。家族に叱られながら、ついつい箸が延びてしまいます。


つい先日読売新聞に「土を喰らう十二ヵ月」という映画が出来たという広告を見ました。沢田研二と松たかこの主演との事。何か「土を喰らう」という言葉に引っ掛かり、記事を読み進むうちに、やっぱりそうかと合点が行きました。


作家の水上勉氏の「土を喰らう」という随筆のような本を読んだことを思い出しました。もう何十年前で、推理作家がこんな本を書くのかと思い、買いました。お寺の子で育った思い出から、里山のような処で生きた生活が日記風に綴られて居り、共感した思い出がよみがえりました。


「土を喰らう」という言葉に触れ直して、今年の畑仕舞いと、来春の畑づくりを考え直そうと思います。

この映画の料理監修が「土井善晴」さんということで、テレビに出てくる料理研究家の中で、唯一私が好きな方です。これも楽しみです。


もう年が年で、妻の介護をしながらですので、自給自足の看板を下げて、せっせと庭先の畑を起こして、土から出てきたものに満足、感謝していただくことを映画から学びたいと楽しみにしています。


さてリフォームの話題です。

水上勉のこの本は、唯一私が気に入っていて本棚に入れていたのですが、本日探したが出てこない。やっぱりあの時捨てられたのかと思います。


実は息子夫婦と同居することが決まって、家族で断捨離が始まりました。私が仕事で忙しく、うっかり「いらない本は処分してもいい」と言ったことを、息子は「私がいらない本」といったのを、「自分たちがいらない本」と解釈して、私の大事にしていた本をほとんど捨ててしまった。なんといっても惜しいのは吉川英治全集です。古本屋を回っては買い集め結構な冊数になって、いつか読める日が来ると夢見ていたのです。

あの時の後悔は、いまだに尾を引いています。本の断捨離は、自分の手で致しましょう。


最近の直木賞、芥川賞、本屋大賞の本には付いていけません。昔の本を買い戻せるなら買い戻したいが、ブックオフに行ってもありません。

ところが昔の本の活字は小さい。今の活字の大きさに慣れてしまったので、老眼鏡を掛けても、目が疲れて読めなくなりました。

まことに悔しい、残念だ。息子の判断は正しかったのかも。


2022年 令和4年11月9日






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