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77歳、喜寿である

 少し前だが、妻の誕生日が12月17日で、77歳になった。私が4月1日生まれの77歳なので、これから数カ月は、二人して喜寿を意識することになる。


 息子夫婦が祝いにと、手巻き寿司の夕食会を開いてくれた。遅くなって近くに住む娘が息子を連れて駆け付けた。にぎやかになり、久しぶりのビールが美味い。自分が漬けた大根も待ちきれず、樽を開け、試食させた。さすがに早すぎた感じだが、出来栄えに一人満足した。

 長男、次男家族は、残念ながら顔を出さない。最近まで誕生祝いを持って、来ていたように思うが、もうすぐ正月だからと、横着して来ないのか。

 妻が、少し寂しそうなのが気になるが、私は平気を装ってやり過ごす。

 食事が終わって、ケーキが出て来て、77歳の字型のローソクを立ててくれた。私たちが好きなモンブランのてっぺんに突きささっている。


 「モンブランって何ですか」と聞いてみた。「栗のこと?」と孫が答える。

ヨーロッパの有名な山の名前であることは、皆様にはご存じだ。

昔食べたモンブランとは違い、どんどんほじくってもあのケーキ本体が出てこない。中まで全て生クリームである。驚きと落胆が入り混じった。問いただせば『昭和の人』と笑われるに決まっていると思い直し、口をつぐんだ。


 あの少し硬めのスポンジケーキはどこに行ってしまったのか。

 話を聞いてくれるのは、喜寿の妻しかいないのである。





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