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雪解けの庭

「子の友と 

こぶし眺めて 

花見酒」


4月中旬、息子夫婦が親しい仲間の一家を招き、早春のまだ肌寒い庭で炭をおこしました。

今年はじめてのバーキべューをやった風景を、五七五にひねったものです。

私ども夫婦も一緒に入れてもらって、楽しい半日を過ごしました。お客様のもてなしに山わさびを堀り上げてみました。期待通りの太さに成長して、皆、感嘆の声を上げました。

散水栓を開けて、たわしで洗い、表面が茶色のまま、下ろし金で摺り始めるとわさびの強い香りが、鼻から目に抜けて、なみだが出て来ました。

皆箸を持つ手を止めて注目、一年ぶりにこの早春の香りに感激。帰りの土産に持たせました。

兎に角、櫻の開花を待ちきれず、庭で語り合う子供達の姿を見ていると、晴れた青空からこの句が下りて来ました。


もう一句です。


「焼きそばに

     アスパラ炒りて

             妻笑う」


5月に入り、庭にアスパラが芽を出し、ぐんぐん伸びて数本食べごろになりました。

妻に昼のご飯を作ろうとして、キッチンをみると、ななえちゃんが朝収穫したアスパラを見つけました。ぶつ切りにして、焼きそばに入れてみました。

愛想のない男料理にがぜん彩が出て、ほのかにアスパラの香りが漂いました。妻も久しぶりに私の料理をほめ、庭をながめることになりました。

又も、雲間の青空からこの句が下りて来ました。


実は、前々から、テレビの俳句番組で女性の俳人の批評にいつも感心していて、自分も一句やってみたいと思っていました。

皆様、私の作品、いかがでしょうか。


 令和6年5月15日




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